『100,000年後の安全』

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映画『100,000年後の安全』 

「ある日人類は新しい火を発見した

その火は強力すぎて消すことができなかった」

 

 

今秋公開予定だったのが、福島原発の事故を受け、急遽4月からの上映となった映画です。

 

高レベル放射性廃棄物が安全な状態になるまで、10万年かかるそうです。

フィンランドでは高レベル放射性廃棄物の永久地層処分場を決定し、その最終処分場"オンカロ(隠された場所)"を建設中だそうです。

 

 

10万年!

気の遠くなるような年数です。

10万年の間、安全に保管するための最終処分場。

がしかし、10万年の耐用年数を持つ機械や設備を作ることが本当に可能なのだろうか?

人が管理し続ける事は不可能だし、さらに、地球には、4~10万年周期で氷河期が訪れるとも言われているそうです。

 

映画の中のワンシーン。

雪原を、ゆっくりと歩いてきて、木の陰に忽然と姿を消すヘラジカ。

あんな風に、存在を消し去ること、忘れ去ることができるのだろうか?

 

埋設した後は、そこが危険な場所であること、決して立ち入ってはならない場所であることを、10万年の間知らしめる必要があるのですが、そもそも、10万年後も人類が地上に存在しているのだろうか?

言葉や記録が残る可能性も、仮に残ったとしても、その後の文明が今の言葉や記録を理解・解読できるかだってわからない気の遠くなるような年月です。

10万年の間、安全に保管するためには、「忘れ去るということを、いかに忘れさせないか」が重要。

その為にはどうすれば良いのか?

プロジェクトにかかわる専門家達にも、答えは見いだせず、結局は、映画の中で一人が言った、「Good Luck」 になってしまうのかも?

 

「100,000年後の安全? ・・・・運が良ければ・・・ね。」

って、おいっ!!

それでもフィンランドは、現時点で一番安全と思われる最終処分を検討し、オンカロ建設を決定し、すすめているわけですが、日本を含め、他の多くの国は・・・・。

 

 

 

サイエンスとは遠いところにいる穴子天丼なので、これを見るまで、原発に賛成とか反対とか深く考える事もなく、安全なんだったらいいんじゃない?程度にしか考えていませんでしたが、消すことの出来ない火と知ると、「やっぱり反対!!」と思うようになりました。

10万年という気の遠くなる先の話でなくても、福島で、校庭の土からセシウムが検出されたとか、第一原発内で高レベルの放射線を出しているガレキの処分に困っているという報道を見ると、今現在日本各地で稼働している原子炉や建築物がその耐用年数を迎えると、その先はどうなるんだろうか?ということも考えるようになりました。

施設そのものが高レベル放射性廃棄物になるのでしょうか?

 

危険な廃棄物をどう処分するかも決まらぬ状態で、どんどん原発が増えて行く事は、やはり怖い。

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このページは、穴子天丼が2011年5月31日 20:59に書いたブログ記事です。

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